アメリカ初!ピックアップ専用スターバックスがオープン

スターバックスが先月、ニューヨーク・ペンシルベニアス駅付近に、アメリカで初となる「ピックアップ専用ストア」をオープンし、話題となっています。


フードショーケースもソファもない、わずか40㎡のスタバ

店の広さはわずか40㎡。店内にはレジカウンターしかなく、机やソファ、食べ物が入ったショーケースなどは見られません。

ピックアップ専用店があるペンシルベニア駅は、グランドセントラル駅と並ぶ大規模なターミナル駅で、多くの人が集まる場所。(ボストン⇔ニューヨークをアムトラックで移動する際、ここを必ず通るのです)

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早朝にも関わらず多くの人が店を訪れ、ボードに記載された自分の名前の下に置いてある、事前にアプリを介してオーダーした商品を手に取り、店を出ていきます。

店内滞在時間はわずか数分。従来のスターバックスのように、ソファに腰をかけ、ゆったりとコーヒーを飲んでいる人の姿は見られませんでした。


スピードが重視されるコーヒーショップ

朝の出勤前や移動中など、時間が十分にない時に飲むことが多いコーヒーは、商品を受け取るスピードが求められます。

そのため、「Peet’s Coffee」や「The Coffee Bean&Tea Leaf」をはじめとするアメリカの有名コーヒーチェーンは続々モバイルオーダーシステムを導入しています。

スターバックスも早くからモバイルオーダーシステムを導入し、多くの人に利用されている。今年初めには、「アメリカの店舗の売上の40%以上がアプリ経由」というデータも発表されています。

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モバイルシステムに精通した顧客を多く抱えるスターバックスが、ピックアップ専用の店舗をニューヨークにオープンしたのは理にかなっていると言えるでしょう。


中国では既にピックアップ専用店をオープン

スターバックスがアメリカにピックアップ専用店をオープンしたのは、これが初めてですが、実は中国で既にこの形態の店をオープンしています。

スターバックスがピックアップ専用店に注力し始めたのは、中国で急速に成長している「ラッキンコーヒー」に対抗するため、と言われています。

2018年はじめに北京に1号店を出店した「ラッキンコーヒー」は、わずか1年で中国22都市に2000店舗以上を展開し、勢力を拡大しています。

https://www.luckincoffee.com/

中国のカフェ市場で存在感を示していたスターバックスですが、ラッキンコーヒーの登場により2018年の第四半期の成長率が前年の8%から1%に下がるなど、売上が伸び悩んでいます。

ピックアップ型店舗、あるいは配達専用店舗がメインのラッキンコーヒーは、スピードとアクセスの良さを重視しており、「寛ぎの場」を提供するスターバックスとは真逆の戦略を取っています。

コーヒーの価格もスターバックスと比較すると15%ほど安価。

中国のカフェ市場に突如現れた「安い早い便利」を強みにするラッキンコーヒーに対抗すべく、スタバがピックアップ専門店に注力し始めたと考えられます。


体験価値が強みのスターバックスはピックアップ専門店で勝てるのか?

自宅でも職場でもない3番目の場所(サードプレイス)として、私たちの生活に欠かせない場所となったスターバックス。

商品そのものよりも、「日常のストレスから離れ寛げる」という体験価値を訴求してきたからこそ、多少コーヒーの価格が高くても多くの人々が足を運んでいました。

プラスチックカップから飲む女性

しかし、ピックアップ専門店となると、スターバックスの強みとなる体験価値を感じることができなくなります。

単に列車に乗り込む際に飲むコーヒーを求めるのであれば、1杯1ドルで購入できるドーナツショップのコーヒーを人々は購入するのではないでしょうか?

そのような事を考えながら、今回ニューヨークのピックアップ専門店を訪れましたが、店内は多くの人で賑わっていました。

スターバックスほどの圧倒的ブランドが構築されると、たとえゆっくりと寛げる空間が無くてもファンは付いてくるのかも。そんな事を考えながら店を後にしました。


ブランディングに成功した企業は価格競争に巻き込まれない

ブランディングには長い時間とそれなりのコストを要します。しかし、一度ブランドを構築できれば、企業としての競争力は強まり、価格競争に巻き込まれなくなります。

時間とお金をかけてブランディングをする理由はそこにあります。

ピックアップ専用のスターバックスを見ると、ブランディングの重要さが分かるでしょう。


今後のスターバックスの出店戦略に注目

今回ニューヨークにオープンしたピックアップ専門店の業績は、今後のスタバの出店戦略に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

狭い店・少ない店員で成り立つピックアップ専門店で売上を伸ばすことができれば、ニューヨークのような地価や人件費の高い土地での勝ちパターンを築くことができます。
アメリカのピックアップ専門店2号店は、グランドセントラル駅近くにオープンすることが計画されていますが、今後の出店戦略に注目です。

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